森記

家具工作人 森俊宏のブログ

手道具の手入れをする秋の日の午後

葉が落ちると、結構大がかりな道具調整をします。

森の中に住んでいると、葉が落ちると空気が変わるのがわかります。

空気中の潤いを受け止めるものが無くなるからか、

ピンっとかリンっとか、はたまたツンっとか、なんだか固い空気になるのです。

こうなると木と鋼で出来ている木工道具は微妙に動くのです。

とくに鉋は木で鋼を包んでいるため、木が動くと鋼の位置も変化するのです。

空気が変わる季節は年2回。

葉の出る時期と、落ちる時期です。

その間約半年。

手で握って使用する道具たちは、私に酷使され、切れなくなり、歪み、ゆるみ、

刃は頻繁に研いでも、時間をかけた調整は(忙しいのもあり・・・)あまり頻繁にしません。

でも、半年使って空気も変わると、

「ここまでだな」って感じで調整が必要になるのです。

さて、調整前にしげしげと鉋を見ると、その胴の部分に変な痕があるのがわかります。

鉋1
「愛用の鉋」

それは年々くっきりとし、色濃くしっかりと、まるで模様のようにアトが残っています。

鉋2
「中央にある変な形のアト」

この模様は・・・私の手です。右手で握るそのあとなのです。

鉋3
「このように・・・」

鉋4
「ジャストフィット」

鉋台の下端は調整のため削りますが、上端は通常なにもしません。

なのでこの痕は、15年の積み重ねなのです。

愛用のこの鉋は新潟平出刃物の”為”。

仕事鉋として大変重宝しています。


そういえば、この間、夜に夕食の後片づけをしながらテレビをつけてましたら、

「長谷川幸三郎」とか「千代鶴是秀」とか、木工関係者が思わず身を乗り出すような言葉が出てきました。

聴けばコレクターさんがこれらの値段を知りたいがため、テレビで鑑定をしたようです。

彼は木工をせず、刃物に魅せられコレクションをしているだとか。

道具は使われる物なので、最終的には、結局無くなってしまいます。

なのでこのようなコレクターさんが”モノ”を残す事が・・・必要なのかもしれません。

ギター弾けないのにギブソンの’59レスポールをもっている人を知っています。

バイクの免許ないのにkawasaki Z2フルオリで所有している人も知っています。

どちらもピカピカに保存されています。


さて、「長谷川幸三郎」氏の玄能は、実は私も持っています。

玄能1
「愛用の玄能。頭がソレです」

普段からガンガン使っています。

こいつで打つと、腕にイヤな響きが来ないのです。

他の玄能も何本か持っていますが、「ここ」って時にはやはりこいつが一番しっくりいくのか、

自然に握っていたりします。

玄能2
「天下御免の刻印」

不相応な「幸三郎」の玄能は、私が那須で旗揚げをする直前に、カミさんから贈られたものです。

「相応な作り手になりなさいな」

そういって渡された玄能頭は、重かった。
  1. 2014/11/16(日) 20:51:25|
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